消防団活動

SDGs的にアウト。持続不可能な消防団という副業の問題点と今後の可能性

こんにちはTorajiroです。

今回は消防団の活動の実態について紹介します。

SDGsのゴール11:「住み続けられるまちづくりを」を達成するためにも必要な活動と思い消防団員になりましたが、やってみたら全然持続可能ではなく問題だらけな仕組みであることが良く分かりました。

問題提起のためにも、消防団って何?というところからその待遇や問題点、改善策について私見を述べさせていただきます。

消防団って何?どんなことするの?

消防団は、常勤の消防職員が勤務する消防署とは異なり、火災や大規模災害発生時に自宅や職場から現場へ駆けつけ、その地域での経験を活かした消火活動・救助活動を行う、非常勤特別職の地方公務員です。

という事で消防団は非常勤の公務員なんですね。活動に対してはちゃんとお金が出ます!!

自分が所属している消防団の活動は概ね以下のような感じです。

<定例の活動>
月1で自分所属する班の整備点検と班会で班長から団員へ連絡事項の共有。自分の活動区域は月1日曜日の午前中2時間くらい。予定があれば欠席可。メンバーの半分も来てない。

<季節の活動>
春・夏・秋の火災予防運動。「こちらは○○消防団です〜」と消防車に乗って自分のエリアの火災予防の呼びかけ。年末に4日間特別警報。これらも行ける人がいくという感じ。1時間回って終わり。

<その他>
防災訓練。
不定期のポンプ操法訓練。消防操法大会前には頻繁に訓練するらしいですが自分は大会出ません。
年始の出初式(でぞめしき)。年始の仕事始めの儀式ですね。水をブワーっと撒いてるやつです。

活動内容は概ね以上。私が所属している分団はかなり緩くて出られる人が出られる時にやれれば良しという感じで緩くやっています。

消防団の待遇は?

消防団は非常勤公務員扱いで活動に対してはちゃんと報酬が出ます。

金額は地域によってバラツキはあるみたいですが、団員の年間活動報酬は36,500円が基準となっています。

月1の定例の整備点検、会議に出られる時だけ出ていればこの額貰えます。自分が所属している班のような緩く活動出来るところでしたら、無理なく活動出来て結構な報酬が貰えます。

加えて火事などで出動した際には1回につき7,000円支給されます。出動して用無しで退散したとしても7,000円貰えます。

更に災害活動や訓練で出動した際にも報酬は出ます。自分のところは3,400円だったかな?

消防団の問題点

報酬は案外貰えるので、自分の所属する班のように無理なく活動させてもらえるところであれば消防団に入るのもお勧めしますが、全体を通してみると正直言って破綻しつつあるシステムだと思います。

以下に消防団の問題点を挙げます。

若い団員が激減している

昭和40年からの年齢構成比率の推移を見ていくと、若い団員が激減していることがわかります。

出典元:消防団オフィシャルサイトより

普通に考えて若いうちは賃貸暮らしで、地域に根付いた消防団の活動をしようなんて思う人は相当レアでしょう。ただ、団員の高齢化は後述しますが時代錯誤な組織を作る原因ともなり、より一層若い人が消防団に入りづらい空気が生まれる事にも繋がり悪循環をもたらしています。

自営業者が減って消防団をやるメリットのある人がいない

私の実家はかつて自営で商いをしており、祖父や曽祖父は消防団に加入していたそうです。

消防団員になっていれば地域で顔と名前を売る事にもなり、地域に根ざしたお店と認識されるので、団員になることは商売の上でもメリットがあったそうです。

ところが今は自営業で働く人は大きく減少しており、大半がサラリーマン。

地元の消防団に入るメリットのある人なんて殆どいなくなっているんですね。

サラリーマンは出社していて出動出来ない

そしてこれは致命的な問題点で自分にも当てはまることですが、仮に近所で火事があったとしても、会社に出社していて出動出来る可能性はほぼありません。

私の祖父や曽祖父は自営業者だったので、お店から出動出来ましたが、サラリーマンの自分ではそれは出来ません。

会社がある地域の消防団に入ることも出来るのですが、通勤先の地域に愛着持って消防団に入ろうと思う人なんていませんよね。入ったところで訓練や定例の点検日が休日にあったら参加出来ないし。

上下関係厳しい縦社会なところが多い

私が消防団活動している班はみんな会社員でのんびり活動しているのですが、分団の訓練に初めて参加した時に、消防団の闇を知りました。

とにかくノリが昔の体育会!!

訓練中は常に罵声を浴びせられます。「違う!!何やってんだ!!」「お前これ2回目だよな!!」「話聞いてんのかこの野郎!!」終始こんな感じ。

でもっておっさん組織なので指導中の下ネタ多いです。問題あるかもしれないのでここで書くのは控えますが。

自分は元プロボクサーで体育会気質には慣れているので、レトロな昭和の体験イベントくらいな感じでいられますが(たまにイラッとしつつ)、そういった耐性のない人が入ったらびっくりするでしょうね。

罵声も下ネタも全てがハラスメントで今時の会社だったら即退場レベルです。

ま、そう言いつつ自分は下ネタおもろくて笑っちゃいましたけど、、

操法大会に向けた訓練が不毛すぎる

訓練に参加して強く感じましたが「大会だったらそれは減点だからな!」と何度も言われるのですが、別に大会目指してないです。

消防団は全国消防操法大会というものが毎年あり(女性の部と交互なので隔年)、出場する場合にはその訓練に相当な時間を費やします。

ここ2年はコロナで中止になっていますが、再開した場合には持ち回りで参加しないといけない年が回ってきます。

大会に向けて訓練する事で上達するという側面はあるにせよ、はっきり言ってやり過ぎ。

だから指導も行き過ぎる。

自分達で勝手に首を絞めているだけの面もあるけれど、団長が気合い入っちゃってたら団員は従わざるを得ない。そういう状況を噂レベルでも聞いた若者が消防団に入るわけがない。

消防団が持続可能な組織になるためには

社会の変化に色々と対応出来ていない消防団の問題点を挙げましたが、その上でこの消防団という組織を持続可能なものにするために何ができるかを考えてみました。

個人としてはこのまま辞めずにもう少し頑張って同世代でやってみたいと思ってくれる人を増やしていくつもりです。

消防車乗ってると子供たちも集まってくるし、そこに一緒にいたお父さんを勧誘していますが、意外と食いつき良くてびっくりしています。小学校で子供の担任の先生も興味を持ってくれて、クラスの子供達に消防団の話をしてくれたり、今度クラスでお話してくださいと誘ってくれたり、消防団に対する社会的な関心の高さを感じます。

自分が緩い団員として活動をアピールすることでまずは少しでも若い人達のハードルを下げたいですね。

社会への要請としては、コロナ禍を経て在宅勤務中心の職場も増えたので、そうした企業はCSRとして社員の消防団活動を積極的に支援して欲しいです。強制的に入らせるとかそういう古いやり方ではなく。国としても企業のそうした取り組みの背中を押してくれたら尚良し。

そうやって新しい血が消防団に入ってくれば自然と今までの古い体育会的な体質は淘汰されていくでしょう。それまでの間は一昔前はこういう人種がたくさんいたんだなと、社会勉強として割り切って。

まとめ

若い人はその存在すら知らない消防団。

自分が消防団になった当初、どうやったらなれるの?必要な資格は?会社辞めたの?そんな質問をたくさん受けました。

当然資格はいらないし、知り合い経由でも消防団のウェブサイト等からでも簡単に申し込めるし、会社は辞めなくて良いです(笑)。

都心であればそこまで体育会体質の班もないでしょうし、活動の制服やら靴やらと色々支給されます。

最低限月1の活動にちょこちょこ参加すれば良いし嫌になったら行かなければ良いだけです。

少しでも興味を持たれた方はお住まいの地域の消防団を調べてみてください。

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